学奨財団

奨学生のメッセージ

後輩にお奨めする理由

第1期奨学生の10人の多くは、学奨財団をお奨めする理由として、有力企業などで仕事をしている、財団役員等や協賛社/賛助会員などのサポーターの方々と会話・交流する機会をもてることを挙げました。明確な選考基準によって、求められる人物像が分かりやすいとの指摘も複数ありました。10人の個別メッセージを以下に示します。

A.Kさん(東京大学教養学部)

まず、金銭的な面としては、返済不要かつ他の奨学金との併用が可能であることは大きな利点と言えます。給付された10万円の使途も定められていないため、自分の学びのために自由に役立てることができます。さらに、財団の交流会を通じて、社会の様々な分野の第一線で活躍されている方々からお話を伺ったり、自分の進路について相談したりすることができるのも大きな魅力の一つです。様々な側面から私の学びの扉を開いてくれる学奨財団を、私は自信を持ってお奨めします。

A.Rさん(大学・学部の匿名希望)

ホームページに公開されている情報が多く、どんな団体がどんな奨学生を求めているのか分かりやすかったことが応募の決め手でした。また、一次選考で提出するフォームが簡単なものだったので、もし受からなくても損失感が少ないことも応募の理由でした。奨学生となってからは、役員の方や他の奨学生との交流の場があるので、学奨財団にしかない出会いや経験を得ることができるのでおすすめです。

梅ヶ枝 桜さん(国際教養大学国際教養学部)

明確な選考基準や小論文の指示があって「どのような人物が求められているのか」がわかりやすかったのが印象的でした。また、奨学生となったあとのサポートが充実しているのがいいと思います。交流会を通して他の奨学生や社会人の方と話す機会があったり、キャリア形成のサポートもしてくれるみたいで、ただの奨学金給付で終わらないという点においてお奨めします。

K.Aさん(名古屋大学法学部)

具体的な選考基準が公表されている他、応募状況・選考状況について随時HP等で公表されることが挙げられます。このため、応募の時点で自身の合格可能性を推し量ることが可能であるほか、選考においていま自分がどのステップに立っているのかが分かるため、選考のための準備にも力を入れやすいです。また、2023年度に1期生が採用された、かなり新しい財団であるため、多くの事業が奨学生の意向等を踏まえながら実施していただけることがあります。

K.Tさん(国際基督教大学教養学部)

私が思う本財団の最大の魅力は、奨学生のみならず選考委員や協賛会社等、普段では関わることのない社会人の方々と交流できる機会がある点です。私は先日の交流会を通して、大学では学べないような人生のヒントを得たり、社会人の方々とお話しさせていただいたりと、非常に貴重な社会経験をさせていただきました。大学生活やインターン等とはまた異なる経験を学生のうちに積むことは、とても意義のあることだと改めて感じました。

K.Nさん(同志社大学商学部)

第一に具体的な選考基準が公表されていることが応募する上での大きなポイントでした。そのため選考対策もしやすかったです。また財団の役員・選考委員やサポーターには有名企業の方も多く、将来のキャリアを考える大学生活において、そのような方たちと交流できるという点がとても魅力的に感じました。

S.Dさん(東北大学農学部)

学奨財団の選考委員や役員の方々は、実際に様々な企業で活躍されており、現代的な視点とフレキシブルな価値観をお持ちです。そのため奨学生の考えとしっかり向き合い理解しようと努めてくださいます。そのような選考委員の方々が選考を行うことだけでなく、合格後も交流会等を通して、役員を含めた幅広い社会人の方々と、実際に関わりを持つことができることが、学奨財団の奨学金の最大の魅力です。

H.Tさん(東北大学経済学部)

選考基準が、大学名よりも、1年生の成績や単位数にウェイトが置かれているので、指定校推薦式の奨学金とは異なり、大学入学後にも自分次第で奨学金を得られる可能性がある、良い奨学金だと思います。また、交流会は、年齢・職種に関わらず様々な方とお会いでき、非常に意義あるものです。とりわけ、インターン等「会社の人」としてではなく、「一個人」としての皆様とお話しすることができると強く感じます。

M.Mさん(明治大学農学部)

私は、学奨財団が「日本における奨学生・奨学金給付団体へのイメージ」の変革に取り組んでいることに惹かれ、応募することを決めました。学奨財団では奨学金の給付だけでなく、多様なサポーター企業の方々や他の奨学生との交流機会が設けられています。これまで何かに対して真剣に取り組んだ経験のある方、大学での日々の講義を大切にされている方、新たな発見を求めている方に積極的な応募をおすすめします。

宮原大知さん(東京理科大学創域理工学部)

学奨財団では、奨学金だけでなく様々な企業でご活躍されている方々との交流、人脈を提供して下さいます。その点で他の奨学支援団体とは一線を画すものがあり、経済的援助と社会経験の両方を同時に得られる一石二鳥な団体というのが私の率直な印象です。優秀な大学生と知り合える機会でもあるので是非奨学生にご応募ください。奨学生としての経験が将来に向けて大きな武器になることを保証いたします。

自己紹介

第1期奨学生の自己紹介文を以下に示します。どのような学生が合格しているのかを知ることは、応募検討者が小論文(テーマは「ガクチカと社会」)の構想や面接を準備するうえで役立つ可能性があります。

A.Kさん(東京大学教養学部)

子どもの生きづらさや普通の人の生活史に関心を持っています。3年次からは教養学部教養学科超域文化科学分科に進学する予定で、文化人類学の知見を活かし、フィールドワークを通じて困難を抱える子どもの語りを聞き取りたいと考えています。人の語りを聞くこと、文章を書くことが好きで、メディア業界に関心を持っており、現在テレビ局でアルバイトをしています。趣味は、音楽・映画鑑賞と旅行です。

A.Rさん(大学・学部の匿名希望)

大学では基礎となる経営学に加え、CSRやSDGsなどを学んでいます。英語の勉強にも注力し、TOEICは900点以上取れるようになりました。多国籍なシェアハウスに住む、海外を旅する、ダイビングの免許を取るなど、大学時代には新しい挑戦も始めています。 夏休みにはタイの島で母とバンガローの経営を始め、9月にかけて土木作業やウェブ作りをしました。

梅ヶ枝 桜さん(国際教養大学国際教養学部)

秋田県の地域発展に関心を持ち、秋田県の地域に根差した活動を行っています。特に力を入れているのは代表を務める「会う輪」という地域連携サークルです。農作業や古民家改修のお手伝いをはじめ、英語力を活かして地域の子供に英語を教えたり、イベントの企画・運営をしたりして多岐にわたる活動を行ってきました。個人の活動としては、地域の伝統文化継承事業に関わってきました。趣味は、山登りや音楽鑑賞、DIYです。

K.Aさん(名古屋大学法学部)

大学では特に法学系の科目を中心に履修し、将来は法律系とりわけ法曹になることを目指しています。「名古屋大学学生法律相談所」という大学公認サークルに所属し、定期的に一般の市民の方々の法律相談を受けることで、学習内容の定着のほか、実務に近い経験を多く積むことで、将来に活かすこともできるだろうと考えています。趣味は音楽で、主にギターを弾きます。歴は5年くらいで、アコースティックもエレキも弾きます。

K.Tさん(国際基督教大学教養学部)

幼少期から犬猫と生活を共にする私にとって、捨て猫や殺処分等ペットに纏わる諸問題は身近なものでした。それら問題解決への貢献が、私の学びのゴールの1つです。具体的には、より良い動物観や「人と動物の関係性」を環境教育の文脈で広めたいと考えています。また、持続可能社会の実現に向けた企業活動の加速を目指すベンチャー企業のインターンとして、ブログ執筆や学内におけるエコアクションの企画に現在取り組んでいます。

K.Nさん(同志社大学商学部)

マーケティングや国際経済、会計学など幅広く商学に関する学問に取り組んでいます。大学生活において、児童館での子どものお世話や留学生のサポート、日本語授業のボランティアなど地域と関われる、そして人の輪を広げることができる活動に積極的に取り組んでいます。現在は入学広報アンバサダーとして大学の広報活動にも従事しています。趣味はサッカー観戦です。大学の授業の一環で米国に2023年9月に渡航していました。

S.Dさん(東北大学農学部)

私を私とするものは「芸術」です。子供の頃から励んでいた歌やお芝居、絵画や写真、そして私の心を最も揺さぶる映画。自分の芸術で人の心を動かしたい、一年前にその気持ちに火がついてから、映画に関わる仕事に就くことを志し進んでいます。その過程として、来年から文学部の哲学専修への転学部を希望しています。2年生から文学部の授業を履修しており、芸術を発信できる深みのある人間を目指して日々学業に励んでいます。

H.Tさん(東北大学経済学部)

私は現在、3年次のゼミ選択に向けて、経済学を勉強しています。関心事は、家庭の貧困、子どもの貧困です。私はアルバイトで、貧困家庭の子どもに学習支援や居場所を提供するNPO法人で、教室の運営者の1人として、働いています。2023年春から、東日本大震災復興サークルに所属していますが、平日はアルバイトをしているため、なかなか参加できていません。将来は、研究職・公務員・NPO職員として働きたいと考えています。

M.Mさん(明治大学農学部)

大学では「農業」「食料」「環境」の三分野を中心に学業に励み、休日は地域の10代の居場所作りを目的としたボランティア活動の運営や広報に携わっています。2023年の夏は約1カ月間、ベトナムにてインターンシップを行いました。趣味は動画制作で、友人のYouTubeチャンネルの動画編集を一部担っています。2023年10月には内閣府主催の日本・韓国青年親善交流事業の代表青年として韓国に派遣されました。

宮原大知さん(東京理科大学創域理工学部)

小学生の頃に小惑星探査機「はやぶさ」のニュースを見てから宇宙にあこがれを持ち、以来宇宙産業に携わることを目指して学業に勤しんでおります。大学入学後は理学系の勉強だけでは足りないと思い、それを補うため鳥人間サークルに所属しました。現在は設計を務め、鳥人間コンテスト出場を目指しています。趣味はテニス、読書、映画鑑賞などです。また、バイトでJRの駅員と忍者スクールの講師をしています。

インタビュー

全授業を英語で学び、地域連携サークルで多様な経験
  • 話し手|答国際教養大学国際教養学部 梅ヶ枝 桜
  • 聞き手|問学奨財団理事長 村中敏彦
梅ヶ枝 桜さん

話し手である
国際教養大学国際教養学部梅ヶ枝 桜さん

  1. 国際教養大学は、知る人ぞ知る、特色ある公立大学ですね。よく知らないという方に向けて、大学の特色について説明してくださいますか。
  2. 国際教養大学は文字通り、「国際的な教養」を身につけることを目指した学校です。すべての授業が英語で行われ、学生は社会学、経済学、心理学、環境科学など幅広い分野を学ぶことができます。交換留学制度があるので、留学生との関わる機会も多くあります。
  3. 大阪出身の梅ヶ枝さんが秋田の大学に進学しようと思ったきっかけは、どのようなことですか。
  4. 国際教養大学が秋田にあったからです。公立大学で唯一、英語で授業を行い、また、リベラルアーツを極めて重視しています。費用を比較的抑えることができ、世界を視野に入れた学びを得られる点が魅力的でした。元々自然が好きだったので、秋田県の自然に触れることも楽しみでした。
  5. 地域連携サークル「会う輪」の活動について、3枚の写真を提供してくれました。1枚ずつ、どのような場面なのか、また活動の楽しさについて説明してください。
  6. 1農作業の様子
    2秋田県を地盤とするJリーグのプロサッカークラブのホームゲーム会場で開催された、県内の複数の大学生が企画・実行した学園祭(ソユスタ学園祭)で、出店している様子
    3古民家を改修している作業の様子
    会う輪は、秋田の地域の方との交流を目的としたサークルです。1枚目の写真は、農作業のお手伝いとして、冬に向けた準備となる牧草集めをしたもの。2枚目は、ソユスタ学園祭にて、藁を使った、フィンランドの飾り「ヒンメリ」や地域の果樹園のリンゴジュースを販売したもの。3枚目は、古民家改修のお手伝いで、壁を作るための木を切ったときものです。県内の多くの地域の方々と談笑し、多様な経験を得られるのがとても楽しいです。
  7. 学業について伺います。すべての授業を英語で実施、受講しているそうですね。英語で学ぶ苦労、予習や復習を含めて取り組む際の工夫には、どのようなことがありますか。
  8. 事前知識のない分野の授業では、英語で専門用語を理解するだけでなく、概念なども英語で理解する必要があります。特に哲学の授業は苦労しています。日本語で調べて理解を深めたり、授業後に教授に質問したりしています。
  9. 学びが大きかった科目では、どのようなことが印象に残っていますか。
  10. Community Developmentの授業では、地域やコミュニティが抱える問題や取り組みを学びます。フィールドワークを通して、講義や書籍、ネット情報からではわからない問題や苦労を学べます。地域発展に取り組むには、地域のことを深く知ること、多くの経験を得ることが大事だということが学べました。
  11. ありがとうございました。今後の学生生活がより充実したものとなるように期待しています。
農業の実習、海外でのインターンや政府交流事業で活動
  • 話し手|答明治大学農学部 M.Mさん(匿名希望)
  • 聞き手|問学奨財団理事長 村中敏彦
明治大学農学部 M.Mさん

話し手である
明治大学農学部M.Mさん

  1. 明治大学農学部で学んでいますね。農学部をよく知らないという方に向けて、どのようなところか、説明してくださいますか。
  2. 農学部は、微生物から植動物に至るまで、人類に関わる生き物全般について取り扱う学部です。農学はもちろん、農芸化学、生命科学など幅広い分野の研究・教育が行われています。私はいわゆる農業経済学に分類される「食料環境政策学科」にて、食料問題や環境問題を中心とした、農業が抱える社会問題について学んでいます。
  3. 学びが大きかった科目では、どのようなことが印象に残っていますか。
  4. 「農場実習」という科目における、大学が保有する農場での農業体験が最も印象に残っています。畑での野菜の栽培はもちろん、水耕栽培や自分たちで収穫した作物を使用した加工実習等も行いました。里山実習では、落葉掃きで集まった落ち葉を利用した堆肥を見学し、持続可能なシステム導入の大切さを学びました。
  5. 農作業の写真を提供してくれました。これはどのような活動、場面ですか。
  6. 1農家さんのお手伝いの様子
    大学の「ファームステイ実習」という活動でスナップエンドウを収穫している場面です。山口県の農事組合法人にて、一週間ほど農作業を手伝いました。農家の方々と寝食を共にし、様々な対話を重ねたことで、農業・農村の実情について深く学べたと思います。
  7. ベトナムでのインターンシップに関するプレゼンテーションの写真を提供してくれました。これはどのような活動ですか。
  8. 2ベトナムでのインターンシップに関するプレゼンテーションの様子
    ベトナムの大学における一カ月間のインターンシップを終えた後に、その成果等をまとめて同国中部にある第三の都市ダナンでプレゼンテーションを行っている様子です。私はベトナムの食文化を、ベトナムの大学に留学してきた海外大学生に紹介するための資料作成や、留学生がベトナムで参加できるボランティア団体の情報収集等を担当しました。普段大学で学んでいる学問に関連した業務も多くありました。インターンシップ先の企業の上司とは、オンラインと対面を併用し、英語でコミュニケーションを取りました。
  9. 日本・韓国青年親善交流事業の代表青年としての活動の写真を提供してくれました。これはどのような活動ですか。
  10. 3内閣府主催の日本・韓国青年親善交流事業の代表青年としての活動
    文化紹介の一環として、日本の民謡を紹介している様子です。日本・韓国青年親善交流事業とは、両国の青年相互の理解と友好の促進を図ることを目的とした日韓両政府による共同事業です。15日間、日本代表青年として韓国に派遣され、ソウルや様々な地方を巡り、地球環境、文化、教育、社会福祉等の各種施設、先進企業を訪問しました。また、韓国代表青年との交流やメディアの日韓比較などに関するディスカッションも行いました。
  11. ありがとうございました。今後の学生生活がより充実したものとなるように期待しています。
宇宙産業従事を目指して鳥人間サークルや学業に精励
  • 話し手|答東京理科大学 創域理工学部 宮原 大知
  • 聞き手|問学奨財団理事長 村中敏彦
宮原 大知

話し手である
東京理科大学 創域理工学部宮原 大知さん

  1. 東京理科大学は、理工系の私立大学ですね。よく知らないという方に向けて、大学の特色について説明してくださいますか。
  2. 東京理科大学は1881 年に創立された歴史ある大学です。実力を備えた学生のみを卒業させるという実力主義をモットーとしています。夏目漱石の小説「坊つちやん」で、主人公が通っていた大学としても有名です。2015 年には日本の私立大学としては初めてノーベル賞受賞者を輩出しました。研究力に優れていると評価されています。
  3. 宇宙産業に携わることを目指して学業に取り組んでいるそうですね。宇宙に関心をもつきっかけは何でしたか。
  4. 宇宙に関心を持ったきっかけは小惑星探査機「はやぶさ」のニュースを目にした時です。プロジェクトに携わった方々の熱意をテレビ越しに感じ、宇宙という未知の世界に挑む仕事に憧れを持ちました。無限の可能性を秘めた宇宙に携わるうえで役立たない学業はありません。理工系を中心に幅広い科目に熱心に取り組んでいます。
  5. では、学業で印象に残っているのは、どのようなことですか。
  6. 学問がどのように社会に貢献しているのか知った時の感動です。例えば、微分積分です。高校では計算方法だけ理解するという方が多いでしょう。私は大学に入って、建築や電磁気、果ては経済学に至るまで、微分積分が様々な場面で必要になることを実感でき、それ以来、街中の建造物や日用品の見方が変わりました。
  7. 鳥人間サークルの活動について、多くの写真を提供してくれました。1枚ずつ、どのような写真なのか、説明してください。
  8. 1鳥人間サークルで製作している翼
    2胴体にプロペラを取り付けて、回転試験を行った場面
    3翼完成品の写真、駆動部分(ギヤボックス)
    3完成した機体を後ろから撮影
    3実際に組み立てた機体を走らせる滑走試験を行う瞬間
    1枚目は翼の写真です。2枚目は胴体にプロペラを取り付けて、回転試験を行ったときの写真です。3枚目はプロペラの回転とパイロットのペダルの回転を紐づけるギアボックスというパーツです。4枚目は完成した機体を後ろから撮った写真です。5枚目は実際に組み立てた機体を走らせる滑走試験を行う瞬間の写真です。滑走試験では部員たちで機体を押して全力で走ります。設計は自転車に乗って後ろから追いかけ指示を出します。5枚目の写真で自転車に乗っているのが私です。
  9. 宮原さんは鳥人間サークルでのような役割を担っているのですか。
  10. 設計という役職です。計画を立て、仲間たちに製作、組み立てなどの指示を出します。外部施設を利用する際の手続きや他団体との交流など外交面の仕事、人間関係面の配慮なども重要な仕事です。飛行機製作を通して、組織で最も重要なのは良好な人間関係であると学ぶことができました。人が自然と集まるような空間を作ることが組織を作る第一歩だと考えています。
  11. 鳥人間サークルで大きなニュースがあったそうですね。
  12. 鳥人間コンテスト2024に出場することが2024年3月に決定しました。7年ぶりの出場です。これほど間隔が空いたのは、コロナ禍による部員減少や技術継承の失敗があったためです。私が入部した当時、部員は2年生のみ、1年生は私だけでした。飛行機製作はもちろんですが、過去の運用方法を知るためにOB・OGの皆さんに協力をお願いしつつ、同時に部員や新入生がサークルに定着してくれるような取り組みなども必要で、とても苦労しました。それだけに、今回の出場決定はとてもうれしかったです。
  13. 学奨財団での交流は何か役立ちましたか。
  14. 自分1人で仕事をさばききれず、人事面がおろそかになっていた頃に、学奨財団の交流会に参加し、企業ではどのようなマネジメントをしているのかという質問を軸に、学奨財団の皆さんと会話しました。そこでは、部員の私に対する従順度と組織に対する影響力によって仕事の割り振り方を変える、名前だけでもいいから役職に就かせる、といった提案や助言をいただきました。これらの実践で、マネジメントの方針が明確になり、仕事を迷わず割り振れるようになり、心理的負担感が減りました。役職をつけた途端、急にサークルに来てくれるようになった人が何人もいました。学奨財団の最大の強みは就活や就職後に生かせる助言を得られることだと思いますが、私の等身大の悩みも親身に聞いていただけます。大学生のうちに対等に大人とコミュニケーションを取れる場は想像以上に貴重なものだなと実感しました。
  15. ありがとうございました。今後の学生生活がより充実したものとなるように期待しています。