学奨財団

社会人のメッセージ

応援メッセージ

池上 重輔
奨学金領域のブルーオーシャン創造を期待
池上 重輔

早稲田大学大学院経営管理研究科 教授、同科研究科長、早稲田ブルー・オーシャン・シフト研究所長

大学での学びは知識創造の基盤であり、優秀な学生を奨学金で支援する意義が大きいことは明確です。大学生向けの奨学金はいくつか存在しますが、大学生奨学財団による奨学金は、大学が関与する必要のないプロセスの簡便さと、多様な選考委員によって明確な基準で透明感を持って選考される点が非常にユニークな奨学金です。製造業は引き続き重要ですが、これからはサービス、テクノロジー等の重要性が一層増すと思われ、本奨学金の選考委員のバックグランドはそうした観点をも意識してバランスがとられています。本奨学金が奨学金領域のブルーオーシャンを創造してゆくのではないかと期待しています。 

石山 アンジュ
「新しい公」をつくる力につながる学びの場を
石山 アンジュ

一般社団法人Public Meets Innovation代表理事。一般社団法人シェアリングエコノミー協会代表理事(事務局兼務)。厚生労働省、経済産業省、総務省などの研究会で委員を歴任

私が中心となって創設したPublic Meets Innovation(PMI)は、「新しい公=NEW PUBLIC」をビジョンに掲げ、ミレニアル世代を中心とした国家公務員や弁護士、イノベーターが協働する官民シンクタンク・コミュニティです。様々な前提が崩れつつある今、正解のない時代の未来や社会思想を描き、構想し、共創する力、そして、既存の手法に捉われず新たなプロセスを組み立て、セクターを超えて巻き込んでいける力、この両方を備えた人材の育成が、日本社会に必要だとPMIでは考えています。大学生奨学財団がそのような学びの場を広げる活動を進めていくことを期待しています。 

音部 大輔
大学生は自らの世界と機会を広げる意思をもて
音部 大輔

日経BP マーケター・オブ・ザ・イヤーや日経BtoBマーケティングアワードなどの審査員。近著の「The Art of Marketing マーケティングの技法」は日本マーケティング本2022大賞を受賞

それぞれの世界は、自身に固有の視点を通して認識されます。複数の視点を獲得することで、自らの経験や見聞から知覚できることが増え、世界はより豊かに広がります。大学生の皆さんは高等教育を通して、さまざまな考え方に接し、多様な人々と知り合うだろうと思います。そうして得られる視点の広がりは、私が専門とするマーケティングだけでなく、文系・理系を問わず、多くのプロフェッショナル領域で活躍するための、大きな力となるでしょう。皆さんが、困難を乗り越え、自らの世界と機会を広げていく力強い意思をもつことを応援します。 

小林 りん
「教育は世界を変える最強の武器」となることを願う
小林 りん

学校法人ユナイテッド・ワールド・カレッジISAKジャパン代表理事。「日経ウーマン・オブ・ザ・イヤー2015大賞」受賞、日経ビジネス主催「チェンジメーカー・オブ・ザ・イヤー2013」選出

ネルソン・マンデラ氏はかつて、「教育は、世界を変えるために使うことができる最強の武器である」と言いました。にもかかわらず昨今、良い教育を受けるために必要な費用は上がるばかりで、経済格差が教育格差に連鎖しつつあることを非常に憂えています。そうした意味で、今回の大学生奨学財団の設立を応援しております。奨学金を通じて一人でも多くの優秀で志ある若い方が、チャンスを手にされますように…中等教育の分野で、同様に奨学金を潤沢に給付する高校を運営する者として、心から願ってやみません。 

若者が未来への原動力に出会う機会の提供を
若者が未来への原動力に出会う機会の提供を
小室 淑恵

経済産業省、厚生労働省、文部科学省、内閣府、首相官邸などの審議会等で委員を歴任。金沢工業大学 客員教授。株式会社ワーク・ライフバランス代表取締役社長

ワーク・ライフバランスという考え方に私が出会ったのは大学時代でした。女性が活躍しにくい当時の日本社会に、負けず嫌いだからこそ絶望し、自分の可能性すら信じられなくなりそうだった私。変わるチャンスを提供してくれたのは大学の教養特別講義の1コマでした。そのときの衝撃が、今もなお、日本の働き方を変えるという使命を貫く原動力になっています。「私なんて」ではなく「私だって」「私だからこそ」と思える機会に出会える場でもある大学。大学生奨学金財団の志によって、未来への可能性あふれる方々がご自分を信じ、進める力になることを願っています。 

桜井 貴史
意欲ある若者を支え、未来へのきっかけを期待
桜井 貴史

パーソルキャリア株式会社 doda編集長 / クライアントP&M本部 プロダクト統括部 エグゼクティブマネジャー

昨今の急速な技術革新・グローバル化や、人生 100 年時代の到来を受けて、今後、自律的なキャリアの必要性はより高まっていくと考えます。未来を担う大学生は、ぜひ学内・学外を問わず、様々な学びや機会に挑戦し、自分の軸を持って社会に出ていただきたいと思っています。一方、経済的な事情で挑戦を諦めなくてはいけないことは、本人にとっても社会にとっても、大きな損失です。本奨学金制度が、意欲ある若者にとって大きな支えとなり、未来につながるきっかけを多く生み出すことを心より期待しております。

渋澤 健
「人への投資」に果たす役割に期待
渋澤 健

シブサワ・アンド・カンパニー株式会社 代表取締役。「新しい資本主義実現会議」有識者構成員

「日本の資本主義の父」の渋沢栄一が新しい時代に直面した当時、目指していた豊かな社会。それはどの様な身分や立場であったとしても、意欲と能力をフルに活かして参画できる機会平等の世の中です。そして100年後の現在、「新しい資本主義」が注視しているのは人的資本の向上です。時代が必要としている新しい価値の創造に不可欠な「人への投資」。大学生奨学財団の創立は極めてタイムリーであり、かつ、その果たす役割が大きく期待されます。

浜田 敬子
若者の勇気につながる未来への投資
浜田 敬子

ジャーナリスト。前Business Insider Japan統括編集長。元アエラ編集長。「Works」編集長

以前、生活困窮家庭の子どもたちの学習支援活動の現場を取材したことがあります。彼ら彼女らは塾に行くお金がないのはもちろん、長期休み期間には昼ごはんも満足に食べられていないと聞きました。コロナ禍でそういった家庭はさらに増えています。私は子どもへの支援は未来への投資だと思っています。奨学金そのものも彼ら彼女らの可能性を広げますが、どこかに自分のことを応援してくれている大人たちの存在を感じること自体が、人生を一歩踏み出す勇気につながるとも信じています。大学生奨学金財団の奨学金が、若者の勇気につながる未来への投資となることを期待します。

松尾 豊
技術を学び社会で活躍する人材を
松尾 豊

東京大学大学院工学系研究科教授。首相官邸、内閣府、経済産業省、総務省、文部科学省、厚生労働省などの会議等で委員等を歴任。国内外で論文、著書、学術に関する賞を受賞

先端技術を用いて新しい付加価値を生み出せる人材が、社会全体で求められています。そのために、当研究室では、東京大学を中心に全国の学生に、人工知能(AI)やデータサイエンス、また、アントレプレナーシップに関しての学習機会を提供しています。一方で、学習の機会はすべての人に与えられるべきだと思います。経済的な問題でその機会が得られない方もたくさんいます。そのために、経済的な支援を行うことは極めて重要です。本大学生奨学財団が、多くの学生に学習の機会を、また学習に集中できる環境を提供することを大変うれしく思います。

松尾 豊
若者の挑戦を支援できる体制の整備を
吉田 浩一郎

一般社団法人災害時緊急支援プラットフォーム代表理事。一般社団法人新経済連盟理事。学校法⼈至善館評議員。株式会社クラウドワークス代表取締役社長兼CEO

2030年までの持続的な開発目標であるSDGsの4つ目に「質の高い教育をみんなに」が掲げられています。経済的な理由により教育機会が失われることは日本社会全体の損失であり、速やかに是正されるべき緊急性の高い課題です。全ての人々に教育を受ける機会を提供することは、非常に意味のある活動だと考え、私が代表を務める会社ではオンラインの学びの場「クラウドカレッジ」を運営しております。大学生奨学財団の取り組みによって、経済的事情に左右されることなく若者の挑戦を支援できる体制が整備され、SDGsの教育に関する目標の達成に近づいていくことを心より期待しています。

吉田 満梨
熟達した起業家研究の知見を活用せよ
吉田 満梨

神戸大学大学院経営学研究科・経営学部准教授。京都大学経営管理大学院客員准教授(2022年度優秀教育賞受賞)。「エフェクチュエーション」(サラス・サラスバシー著)共同翻訳者

熟達した起業家への研究から発見された、不確実性に対処するための思考様式「エフェクチュエーション」を提唱したサラス・サラスバシー教授(米ヴァージニア大学)。彼女が、世界に新たな価値を生み出す起業家という存在を知り、また自らも起業家を志したきっかけは、インドの産業の父を記念する財団の奨学生となったことでした。本大学生奨学金財団も、予測が不可能な中で自らの人生を拓き、社会にとって新たな価値を実現しようとする大学生に、新しい気づきと出会いを提供する重要な役割を担われることを期待します。併せて、本財団が奨学金給付関連事業を起業するに際して、すでに参考にされている「エフェクチュエーション」の知見を、財団を軌道に乗せる過程でも存分に活用されることを希望します。

サポーターメッセージ

  • 伊藤忠商事株式会社
  • サイオス株式会社
  • 日鉄ソリューションズ株式会社
  • 株式会社SORAMICHI
  • 株式会社スギ薬局

ひとりの商人、無数の使命

伊藤忠商事の事業内容

伊藤忠商事は世界62カ国に約100の拠点を持つ大手総合商社として、繊維、機械、金属、エネルギー、化学品、食料、住生活、情報、保険、物流、建設、金融の各分野において国内、輸出入及び三国間取引を行うほか、国内外における事業投資など、幅広いビジネスを展開しています。

伊藤忠商事の「挑戦」

伊藤忠商事は、160年以上前から「商い」を続け、幾多の困難に直面しながらも、常に「今」できることを考え、世界中でビジネスを展開してきました。そして、既存の"常識"にとらわれることなく、新技術を大胆に取り込みながら、「商い」の力で人々の生活に新たな価値を提供し続けています。伊藤忠商事は、変化の激しい時代だからこそ、「今」を生き、生活する人々を一番に想いながら、「未来」を変えていきます。創業の精神でもある企業理念「三方よし」の精神を核とし、本業を通じた取り組みを着実に展開しながら、現中期経営計画「Brand-new Deal 2023」では特に、「脱炭素社会を見据えた事業拡大」「循環型ビジネスの主導的展開」「バリューチェーン強靭化におる持続的成長」を積極的に推進していきます。

新卒採用チームリーダーからのメッセージ

研究設備や製造設備を持たない総合商社にあるものは、「人」のみです。だからこそ、社員一人ひとりが徹底的に自分の頭で考え、創意工夫をしながら行動していくことが重要です。伊藤忠商事では、社員一人一人が若手のときからから失敗を恐れず、常に主体的にチャレンジすることを心がけています。大学生の皆様におかれましても、各自が力を入れる分野で果敢に挑戦されることを期待しております。

市川 丈陽
伊藤忠商事株式会社
人事・総務部 採用・人材マネジメント室 新卒採用チームリーダー
市川 丈陽

「より良い社会」の実現に向けた取り組み

サイオスグループのミッション

私たちは「世界中の人々のために、不可能を可能に。」をミッションと定め、イノベーションによって人々の課題を解決し、より良い社会の実現を目指しています。私たちの考えるより良い社会とは、創造性にあふれ、心豊かな、持続可能な社会です。

生活を支える「縁の下の力持ち」として

我々が提供している製品やサービスは、意外にも皆さんの生活の身近なところに存在しています。
そのうちの一つが、事業継続のためのソフトウェアです。災害が起きた時、情報システムが作動を停止してしまっても、常にデータをバックアップしているため自動的に復旧して、何事もなくシステムが稼働し続ける仕組みを提供しています。
他にも、大学生の皆さんが、学内システムを便利に安全に活用できるようなクラウド化の促進や、セキュリティの確保も行っています。皆さんが普段何気なく使用しているシステムの土台を、私たちが支えています。

社員目線を追求した新しい働き方

サイオスグループは、エンジニアにとって働きやすい環境を整えることを最優先課題とし、無駄のない合理的な働き方を徹底して追求しています。
例えば、フルリモートワーク、フレックス制、居住地が原則自由といったように、時間や場所に縛られない働き方を採用しています。連続休暇制度などもあり、仕事以外の時間の充実化にも力を入れています。また、自発的な学習姿勢を促進するために、業務時間の一部は、自身のタスクとは別に、自己啓発・自己成長のための時間として使用できる「5%自己学習制度」などを設けています。
日々の業務において社員がパフォーマンスを最大限発揮できるよう、今後も時代や環境に合わせた働き方を取り入れていく予定です。

本奨学金制度への期待

難関大学に通う学業優秀な学生の皆さまが、本奨学金を利用され、大学生活を充実させることができれば、私たちにとってこれに優る喜びはありません。
非常に透明性の高い審査基準を通過された皆さまの学力、能力の高さは折り紙付きと思います。まずは、懇親会の場でお話しすることを楽しみにしております。また、私たちの理念や事業内容に少しでも興味をお持ちになりましたら、採用情報(リンク先 https://sios.jp/recruit/)についても閲覧頂けますと幸いです。

末武 真咲
サイオス株式会社
人事部門
末武 真咲

Move ! to Change

社会の発展に貢献できる人材へ

私たち日鉄ソリューションズ(以下、NSSOL)は、生産量世界トップクラス、国内1位の鉄鋼メーカーである日本製鉄を母体に持つシステムインテグレーター(以下、SIer)として、コンサルティングの上流から、システム開発、保守・運用までシステム全体を支えている企業です。生活者の皆さんが私たちを意識する機会は少ないかもしれませんが、社会に必要不可欠なインフラを営む様々な業界のお客様(クライアント企業)の大規模なシステムやITサービスを手掛けています。このたび、学奨財団設立の想いに大変共感し、賛助会員として参画させて頂きました。

DXをリードできる存在へ

社会は大きな変革期を迎えており、あらゆる業界でDX(デジタル・トランスフォーメーション)への取り組みが急務になっています。日本製鉄のDNAを受け継ぐ私たちは、現場の業務を深く理解し、お客様と同じ目線で課題を解決することにこだわり、複雑な業務ロジックを設計・実装できる高度な技術力を培ってきました。その技術力を糧に、NSSOLはDXをリードできる存在として、「ファーストDXパートナー」を目指しています。

目指すは、X Integrator。求めているのは「チャレンジ精神」

これからの社会が求めるDXを推進していくにあたり、私たちは単なるSIerの枠を超え、お客様のビジネスや組織、業務プロセスのさまざまな要素(=X)を再設計していく"X Integrator"へと自らを進化させようとしています。そのためにも多様な視点や能力を持つ人材を求めています。Xとは数学の変数で用いる記号であり、トランスフォーメーション(X-formation)の意味も込めています。
未知の領域にも果敢に挑み、ただ指示されたことをやるという歯車的な姿勢ではなく、新しい価値を生み出すために自立して行動できる人材を私たちは求めています。さらに、時代の変化に追随できる柔軟性や吸収力も重要な資質と考えています。
学奨財団から成長のきっかけを受け取った皆さんが、チャレンジ精神をもって、社会の発展に貢献できる人材となることを願っています。

河野 真吾
日鉄ソリューションズ株式会社(NSSOL)
人事本部 採用・人材開発センター 採用グループリーダー
河野 真吾

次世代の担い手への期待

なぜ学奨財団を支援するか

私たちSORAMICHIは「マーケティングの未来を創造し続ける」を会社のミッションとし、ITによるマーケティング活動の革新、それによる豊かな社会の実現を目指しています。
学生の皆さんは数年後には社会に出て、さらに10数年後には企業人材の中心として、日本や世界の産業を支える立場となります。
当社は、学奨財団に協賛することで、未来を支える学生の皆さんに、学ぶ機会を提供し、また、「学ぶ」と「働く」の良好なサイクルを生み出していきたいと考えます。

SORAMICHIの事業領域

当社は、クライアント企業の事業活動における広義のマーケティング活動を幅広く支援するコンサルティング事業を展開しております。具体的には、認知向上施策やデジタル広告、Web/アプリのデザインとプロダクト開発、利用者と企業の長期的な関係を育成するCRM(Customer Relationship Management)施策などです。
広告代理店やソフト開発会社とは異なり、コンサルティング会社として企業の経営戦略、マーケティング戦略全体からクライアント企業を支援し、施策を実行する領域までカバーするのが当社の特徴です。
優秀なコンサルタントとIT人材が活躍する当社において、その取引会社は金融機関からアパレル事業者まで、幅広い産業領域を支援しています。

SORAMICHIの人材とパートナーシップ

当社には優秀な社員人材だけでなく、大手IT企業の在籍者を中心とした副業プラットフォームに在籍する人材とパートナーシップを組んで、多くのコンサルティング案件に対応しています。「Google Premier Partner 2022」というGoogleのパートナーとして国内上位3%以内に入る認定も受けています。
若い学生の皆さんにも、社会で学ぶ経験をインターンという形で提供しています。「学ぶ」と「働く」のサイクルを通じ、ご自身のキャリアについてじっくり考える機会を持ってもらいたいのです。インターンに興味をもたれた学生さんは、当社インターン募集サイトを是非ご覧ください。

当社ホームページ https://www.sora-michi.co.jp/
当社インターン募集 https://herp.careers/v1/soramichi

川本 広二
株式会社SORAMICHI
代表取締役社長
川本 広二

人は財産

スギ薬局の事業

スギ薬局は、調剤薬局を併設するドラッグストアとして、関東・東海・関西・北陸で約1,600店舗を展開している企業です。
当社は、地域のお客様・患者様に対して、未病・予防領域から介護終末期領域まで、健康ステージすべてを支援しています。
薬剤師、登録販売者(一般用医薬品の販売資格をもつ専門家)をはじめ、店舗の専門家人材の活躍を通じて、地域の皆様から「かかりつけ薬局」として信頼され、持続的な地域包括ケアの実現に貢献しています。

人的資本経営を推進

スギ薬局グループは、人材戦略の重要な視点として「社員が最も大切な財産」、「社員一人ひとりの働きがいを高める」、「社員一人ひとりの力を引き出し、経営理念・成長戦略・予算を達成」の3つを挙げ、経営戦略との融合により、長期的に社会から必要とされる企業を目指しています。
そして、(1)社員の働きがい、(2)人財育成、(3)人財確保、(4)コンプライアンス・風土改革、(5)ダイバーシティ、(6)健康・安全、という6項目を柱に、人的資本経営を推進しています。

求める人物像

当社は事業の「規模」と「領域」の伸長に伴い、多様なスキル・経験を持ち、次代のスギ薬局を担う人財を必要としております。薬学部だけを対象としているわけではありません。
入社後には、計画的な幹部候補育成の研修や社員のチャレンジ意欲を促す仕組みを構築しておりますが、学生時代の経験という点では、「問いの答えを探し続ける力」や「複雑な情報や問題を分析する力」などの学習力が重要となります。そのような力を身に着けている方は、環境変化に対応し生き残り、成果を出すことができる人財と考えています。
学奨財団にチャレンジする皆様は、そのようなスキルの獲得に意欲的な方々だと考えます。学奨財団の奨学金への応募や、奨学生として活動する機会を通じ、学生生活で様々なヒントを得て、今後の成長に繋げていただければと考えます。



当社に興味を持たれた方は是非、当社の採用ホームページ(リンク先 https://www.sugi-recruit.jp/ )を閲覧ください。

森 茂樹
株式会社スギ薬局
取締役 管理本部 本部長
森 茂樹

大学事務部門メッセージ

第1期奨学生を輩出した大学の奨学金事務担当部門の方々から、コメントをいただきました。

東京理科大学 学生支援部葛飾学生・キャリア支援課

自校から奨学生が採用されたことについて、感想やコメントをお願いします。
採用学⽣からは、交流会等奨学金以外の面でも貴重な経験を得たと伺っております。引き続き温かいご支援をよろしくお願い申し上げます。
学奨財団の Webサイトをざっとご覧になって、学奨財団への感想やコメントをお願いします。
厳正な選考基準の公開や明確な理念から貴財団の誠意と熱意を感じ、学生が安心して支援を享受し得るかと存じます。

東北大学教育・学生支援部 学生支援課

自校から奨学生が2人採用されたことについて、感想やコメントをお願いします。
今回、本学から採択を頂いた2名の学生については、学業成績が極めて優秀な学生であり、奨学金応募についてやり取りをすることもありますが、申請に対して真摯に応対するだけでなく、気さくでコミュニケーション能力も高く人格も非常に優れていると常日頃から感じておりました。
こうした学生が経済的な理由から学業に専念できなくなることを危惧しており、今回、奨学生として採択されたことを嬉しく思います。今後も2人の学生が大学生活を健やかに過ごされ、ご自身の目指す目標に向かって歩んで頂ければと切に祈っております。
改めまして、この度は本学の学生を採択頂き、御礼申し上げます。
学奨財団のWebサイトをご覧になって、学奨財団への感想やコメントをお願いします。
第一印象としては華やかなWebサイトであると感じました。内容としても、非常に分かりやすく、特にQ&Aが分かりやすく、申請方法が詳しいことは重要ですが、採択された後に何を求められるのかも学生にとって重要な情報ですので、応募を検討する学生も助かるのではないかと思いました。
奨学金は日本学生支援機構の奨学金が国から支援でもあり最も知られている奨学金ですが、申請にあたっては煩雑な部分も多く学生も理解が難しいことも多々あります。
その点からも、分かりやすいウェブページがあり、申請手続きが行いやすい民間奨学金は学生にも大きな助けになると思います。加えて、貴財団は直接応募でもあり、学生が自身で財団と直接やり取りをして応募できる点もその一助になっていると考えています。
本学から採択された学生にも言えることですが、奨学金を複数採択される学生は、自身で探してどんどん応募していくアグレッシブな学生が多いです。
今回、多数の学生が貴財団の奨学金に興味を持たれたのは、分かりやすいウェブページがあり、申請方法と採択後について詳しく記載されている点もあったのではないかと思いました。

某大学(匿名希望)事務部門

自校から奨学生が採用されたことについて、感想やコメントをお願いします。
この度、貴財団奨学金の第 1 期奨学生として、本学学生 が採用されたことにつきまして、誠にありがたく、御礼申し上げます。 奨学生本人の経済的事情も好転することと思いますので、よりいっそう学業に励み、充実した学生生活を送るかと思います。 奨学生の義務を逸脱することなく、修業年限まで奨学金が給付されるよう、奨学生本人をご指導いただきますようよろしくお願いいたします。
学奨財団のWebサイトをご覧になって、学奨財団への感想やコメントをお願いします。
奨学金の出願から採用後にかかる情報がすべてにおいてわかりやすく公開されており、応募者にとっても一つの安心材料となっていることは間違いないと思います。また、私たち大学事務側としても、幾多の公募制奨学金がある中、情報開示がしっかりなされていますので、学生への周知 案内 等も安心して行うことができます。

先輩財団に学ぶ

  • 神山まるごと高等専門学校
  • 公益財団法人千本財団
  • 公益財団法人 中山報恩会
  • 公益財団法人 山田進太郎D&I財団

学奨財団自らも学ぶ姿勢をもち、学んでいる姿を当財団サイトで示そうと、奨学金関連財団の幹部にインタビューを依頼し、実現しました。学奨財団とは成り立ちや方向性、特徴が違いますが、若者を応援する志は当財団を含めて共通していると考えています。

神山まるごと高専

独自のカリキュラムでイノベーション人材を育成
  • 話し手|答神山まるごと高専 広報責任者 小池亮介氏。神山まるごと高専設立準備財団(当時)広報責任者。Sansan社長室室長兼務
  • 聞き手|問学奨財団理事長 村中敏彦
神山まるごと高専 広報責任者の小池亮介氏

話し手である
神山まるごと高専広報責任者の小池亮介氏

神山まるごと高専 創業者 理事長の寺田親弘(Sansan株式会社代表取締役社長/CEO兼務)

当財団理事長がその原型となる構想を温めていた2020年秋の時点で、Sansanの寺田氏が進めていた神山まるごと高専の設立構想を、先駆的で斬新な取り組みとして参考にさせていただいた。理事長が前職(日経BP)時代の2012 年9 月に、ある教育関連カンファレンスで、寺田氏と連続して登壇し、ご挨拶していたことがあり、その当時から注目していた。

財団のサイトに有識者の応援メッセージやサポーター(協賛社/賛助会員等)のロゴを掲載するアイデアは、神山まるごと高専のサイトにヒントを得たもの。当財団の初代選考委員長のSansanデジタル戦略室長の柿崎充を通じてインタビューをお願いした。

  1. 寺田さんが、新機軸の高専(そのための設立準備財団)を創ろうと思ったのは、どのようなきっかけがあったのですか。小池さんが、その準備の最初の時点から関わりをもったのは、どのようないきさつでしたか。
  2. 寺田自身、働き方を変えるDXサービスを提供するSansan株式会社というビジネス分野のほかに、社会分野でもイノベーションを起こしたいという思いが、元々ありました。社会分野については、2017年ごろから構想を温め、2019年に構想発表会見を行い、本格的に学校づくりをスタートさせました。私、小池は、寺田の指名を受けて、構想発表の記者会見からこのプロジェクトに参画しています。
  3. 神山まるごと高専の活動では、どのようなことを目指していますか。
  4. ものづくりの力を用いながら、社会に新たなイノベーションを生み出せる人材「モノをつくる力で、コトを起こす人」の育成を目指しています。20年後、30年後、いかなる社会になっていたとしても、前を向き自らの力で社会を切り開く人たちを、本校から輩出できればと考えています。
  5. 学校を運営する上で、どのようなことを工夫していますか。
  6. 自ら動き、体験をもとにして学ぶアクティブラーニング型の授業を用意するなど、独自のカリキュラムを工夫しました。全寮制を採用し、学生同士の共同生活の中からも学びも重視しています。スタッフたちは学生とともに進む伴走者として、学生の自主的な取り組み、活動を尊重しています。
  7. (開校1年目の途中時点で難しいかもしれませんが)どのような成果が出ていると見ていますか。
  8. 卒業生が活躍するなどの意味で学校の成果が出るのは、10年、20年先のことになります。ただ、開校してからの半年の中で、着実に学生は成長してくれています。例えば、2023年10月に行われた高専プロコン(※)では、1年生のみのチームながら、特別賞をいただくことができました(※第34回全国高等専門学校プログラミングコンテストのこと。自由部門の応募は51作品)。
  9. この高専に応募を検討している人、これから出てくる卒業生には、どのような期待をもっていますか。
  10. 本校に応募を検討している方には、具体的ではなくても自分のやりたいこと、取り組みたいことがあると良いです。そして何か1つでも、ものづくりに取り組んだ経験があると本校とのマッチ度合いが高い状況にあると言えるでしょう。卒業生たちには、本校で学んだ知識や経験を活かしながら、思う存分、社会を変えていってほしいですね。
  11. 学奨財団のWebサイトや説明資料をご覧になって、どのような印象をもちましたか。
  12. 本校も、いかなる経済状況の家庭でも通える学校を目指し、返済不要の独自の奨学金基金を構築しています。年間10万円を返済不要で給付する貴財団と取り組みや志がとても似ていると感じました。さまざまな家庭環境の学生でも平等に学べる学習環境こそ、真に多様性が担保された状態だと思います。本校はあくまで40名x5学年のミクロな高専ですので本校が社会に与えるは小さいと捉えています。ぜひ、貴財団の取り組みが広まってくれればと思います。

<神山まるごと高等専門学校の概要>

開校:2023年4月(一般財団法人神山まるごと高専設立準備財団を2020年11月に設立し、学校法人に継承)

URL: https://kamiyama.ac.jp/

建学の精神:まるごと学ぶ学校(人間の豊かな未来を創造するために必要な力を「まるごと」学習する。授業のみならず、課外活動や寮生活などの機会からも「まるごと」学習する。成功も失敗も糧とし、全ての経験から「まるごと」学習する)

Vision:β Mentality(βは、欠点のない完成形ではなく、未完成のベータ版を象徴する記号)

所在地:徳島県名西郡神山町

学科:デザイン・エンジニアリング学科

学べること:テクノロジーとデザイン/アントレプレナーシップ

主な表彰・受賞:Makuake Of The Year GOLD賞(2022年11月)。未来を育む地域活動や業績を顕彰する「第59回徳島新聞賞」(2023年6月)。2023年度グッドデザイン賞金賞

千本財団

フルブライト奨学金の理念をアジアに展開
  • 話し手|答公益財団法人千本財団 代表理事 千本倖生氏。京都大学大学院特命教授。工学博士(電子工学)。連続起業家。DDI(現KDDI)共同創業者
  • 聞き手|問学奨財団理事長 村中敏彦
千本財団 代表理事の千本倖生氏

話し手である
千本財団代表理事の千本倖生氏

当財団理事の富井聡が、前勤務先の日本政策投資銀行でご縁のあった千本倖生氏に、当財団の概要を紹介したところ、ご自身で設立し運営されている千本財団でも奨学金を給付していることから、当財団について関心を示された。

2023年7月に理事長の村中と理事の富井の二人で千本氏を訪問し、当財団について詳しく説明。「先輩財団に学ぶ」というインタビュー記事欄を、当財団サイトに新設するアイデアにご快諾いただけた。これを機に、他の奨学金関連財団にも、インタビュー協力を依頼できることになった。

  1. 千本さんが、学生向けの奨学金を創ろうと思ったのは、どのようなきっかけがあったのですか。
  2. 奨学金のもつ力を私自身が実感したことが大きい。1960年代後半に、フルブライト奨学金のおかけで米国の大学に留学し、当時の米国の学問や文化、価値観に触れたことが、その後の起業家としての私の基盤となった。フルブライト奨学金は、世界の先駆的な奨学金制度であり、私が応募した当時は非常に高い競争率だったはずだが、たまたま合格できた。1年でマスター(修士課程)をオールAで修了できたので、Ph.D.(博士課程)に、授業料免除、フェローシップ(研究奨励金)つきで進むことができた。米国の先端的な学問を学んだだけでなく、米国で生活することで、米国社会の寛容さ、フロンティア精神を体感できた。今度は私が、起業家として蓄えた財産や知見を、奨学金を通じて社会に還元したいと考えた。
  3. 対象者をアジア太平洋各国の学生としたのはなぜですか。
  4. 日本はアジア太平洋の一員として、日本と関係が深い国々の若者を支援することが必要と考えたからだ。日本の4年制大学の進学を目指すアジア太平洋出身の留学生で、経済的理由により修学困難な者に対して、日本語学校在籍時から返済義務の無い奨学金を給付し、支援している。
  5. 千本財団では、どのようなことを目指していますか。
  6. 奨学生が、出身国のリーダーとなり、自らの国家の発展、日本とアジア太平洋各国の相互理解を深めることに貢献できることを目指している。リーダーは分野を限定しているわけではない。私が学んだ理工系だけでなく、文系やアート、アニメを学ぶ奨学生もいる。
  7. 財団を運営する上で、どのようなことを工夫していますか。
  8. 奨学生のサポート体制を充実させている。生活上の困りごと、キャリア、就職活動、大学院進学などの相談ごとに対応する。奨学生同士のコミュニティも作っている。年に数度はリアルの交流会を東京で開催し、対話・懇親する機会を設けている。直近では、駐米大使などを歴任した藤崎一郎氏の「まだ間に合うー元駐米大使の置き土産」(講談社現代新書、2022年2月刊)を読んでもらい、それを含めて藤崎氏と奨学生とで長時間討議する時間を設けたことは、奨学生にとって学びが大きかったと思う。奨学生の選考は、大学進学前の若者を対象とするため、著名大学の教授陣に任せている。
  9. 2017年9月の設立からこれまでの間に、どのような成果が出ていると見ていますか。
  10. 奨学生に採用した時点でたどたどしかった日本語も、大学4年生で感想文を提出する時点では、日本人の大学生を超越するレベルの文章を書けるようになる。目覚ましい成長だ。国を背負って学ぶ意識の高さが、学びに力を与えているのだろう。
  11. 奨学金を得て卒業していく若者には、どのような期待をもっていますか。
  12. 自ら仮説を立てて、リスクをもって挑戦し、失敗から学んでいける人物となり、社会の課題を解決し、社会に貢献する人物となってほしい。将来は、母国で産業、文化、さまざまな分野でリーダーとなってもらえると嬉しい。
  13. 学奨財団の説明を聞いて、どのような印象をもちましたか。
  14. 素晴らしい取り組みだと思う。私は、この財団をはじめ、いろいろな社会貢献活動に、億円単位の私財を投じているが、起業家として得た財産の全体からすれば大半というわけではない。代表理事が会社員としての退職金を使って奨学金の財団を創設すること自体、珍しく、尊いことだ。若者を育てようという学奨財団の創設者の志が、より多くの応援を得て、若者の力となることを願っている。

<公益財団法人 千本財団の概要>

開校:2017年9月(一般財団法人千本財団として設立。2019年2月に公益財団法人に認定)

URL: https://semmoto.or.jp/

奨学金の概要:日本語学校に通い、大学進学の勉強に集中する6カ月間は月額5万円、4年制大学に通う4年間は月額8万円を給付(返済不要)。応募資格は、1)在留資格「留学」で日本に在留し、2)マレーシア、インドネシア、ベトナムなど9つのいずれかの国籍をもち、3)日本留学試験の成績(日本語記述試験を除く3科目の合計点数)が 500 点以上、4)経済状況、5)年齢などの条件を満たす者。2022年度の奨学生は23名。

中山報恩会

1940年の設立者の志を尊重し、交流を重視
  • 話し手|答公益財団法人 中山報恩会 理事長 中山景子氏
  • 聞き手|問学奨財団理事長 村中敏彦
中山報恩会 理事長 中山景子氏

話し手である
中山報恩会理事長 中山景子氏

中山理事長と学奨財団理事長の村中の2人

当財団理事長が、奨学金の財団を創ろうと思った原体験は、自身が大学生の頃から中山報恩会の奨学金の給付・貸与を受け、同会が主催する交流行事(奨学生とOB・OGが交流する会合等)に30回以上参加していたことがある。

財団を設立する半年前の時点で、同会の中山理事長に企画案を説明。財団運営の留意点について指南していただいた。学奨財団を設立した直後に開催された、中山報恩会の東京地区の交流会では、中山理事長挨拶の中で、当財団の取り組みについて参加者に紹介、応援メッセージを寄せていただいた。

「先輩財団に学ぶ」というコラムを企画するに際して、財団設立の原体験を提供してきた同会に、改めて学びたいと考え、インタビューを申し込んだ。

  1. 創設者の中山悦治翁(当時の株式会社中山製鋼所の初代社長)が今から80年以上前の1940年に、私財を投じて奨学金の財団を創ろうと思ったのは、どのようなきっかけがあったのですか。
  2. 中山悦治は、若いころからの夢であった鉄鋼事業が実を結んだのも、先輩や社会の導きのおかげという感謝と報恩の気持ちを常に抱いていました。家計が苦しくなり、学業を途中で断念したこともあり、社会貢献の一つとして、経済困難で学業に励めない若い英才の支援を行うことを目的として本財団を設立しました。時代背景を踏まえ、国のために優秀な人材を育てたいと思いもありました。
  3. 奨学金の財団として日本で9番目の設立とお聞きしています。当時まだ珍しい奨学金の財団に、多額の私財を投じることに、周囲はどのように反応したのですか。
  4. 多くの関係者から設立の趣旨に賛同・支援を受けたと聞いています。
  5. 現在、財団を運営し、奨学生に活動してもらう上で、どのような特徴をもたせていますか。
  6. 現役奨学生、卒業奨学生、役員とのコミュニケーションを重視しています。新奨学生歓迎会、講演交流会、卒業祝賀会と、多くの交流の機会を設けています。また、現役、卒業奨学生から投稿文や近況報告等を掲載した会誌「星友」を毎年発行しています。2022年発行号の会誌は480ページあり、「卒業10年の節目を迎えて」という特集への5人の投稿を含めて140人強の投稿を収録しています。奨学金は、年に4回、奨学生の顔を見て直接手渡しています。オンライン決済を推進する時代の趨勢に合っていませんが、奨学生とのコミュニケーションは大いにとれていると考えています。
  7. 財団の運営を80年以上続けてこられて、どのような成果が出ていると見ていますか。
  8. 現在3000人を超える卒業生は各界で大いに活躍しています。また、卒業後も当財団とのつながりを強く持ち、交流会への参加、講演者としての登壇、会誌への投稿など各種事業に積極的に参加協力を得ています。
  9. この財団の奨学金に応募を検討している人、これから出てくる卒業生には、どのような期待をもっていますか。
  10. 学生時代に真面目に生き、充実した人生を送ってほしいです。社会とのつながりを大切にし、どこかの時点で社会貢献を行ってほしい。当財団は83年の歴史を持つためか、設立者のことを理解してもらおうとか、今の学生のニーズに合わない面も多々あるだろうとは思います。しかし、設立者の志に沿って、学生や卒業生と末永くつながりを大切にしていきたいと考えています。
  11. 学奨財団のWebサイトや説明資料をご覧になって、どのような印象をもちましたか。
  12. サイトを開いたとき、奨学金を希望する学生の目を引くものがあります。まず給付型奨学金であることを明確に打ち出しています。選考基準や結果についてもオープンにしていて好感がもてます。村中理事長の幅広い人脈から多くの情報を収集し、情報を的確に発信しており、非常に参考になりました。

<公益財団法人 中山報恩会の概要>

開校:1940年3月(財団法人中山報恩会として設立。2013年4月に公益財団法人に認可)

URL: https://nakayama-foundation.jp/

奨学金の概要: 「学術、品行、志操に優れ、健康であること」に加えて「経済困難により学資等の支援が必要であると認められる者」を対象として、東京大学など12の推薦依頼校の大学生、大学院生に、奨学金を交付する。その月額は大学生では42000円(うち貸与が12000円)、大学院生では50000円(うち貸与が15000円)。2023年度の採用数は、大学生22人、大学院生38人、計60人。

山田進太郎D&I財団

奨学金ほか多様な施策で、理系女子を大幅増へ
  • 話し手|答公益財団法人 山田進太郎D&I財団 事務局長 田中多恵氏(NPO法人ETIC.(エティック)より出向)
  • 聞き手|問学奨財団理事長 村中敏彦
公益財団法人 山田進太郎D&I財団 事務局長の田中多恵氏

話し手である
公益財団法人 山田進太郎D&I財団事務局長の田中多恵氏

公益財団法人 山田進太郎D&I財団メンバーの集合写真。前列左から、大洲早生李氏(広報・マーケティング調査・政策提言)、山田進太郎氏(代表理事)、田中多恵氏(事務局長)、後列左から菅野流飛氏(エコシステム・奨学金企画)、富島寛氏(常務理事)、松本このみ氏(制度設計・奨学金企画)
田中事務局長と学奨財団理事長の村中の2人(当財団事務所のあるエアークローゼット社エントランスにて撮影)

学奨財団が有識者の応援メッセージを財団サイト上に掲載する案は、理事長が財団設立を2021 年秋に発案した際に、山田進太郎 D&I 財団 のサイトで多くの女性有識者が女子生徒に贈る応援メッセージを掲載されていることにヒントを得た。

「『DIE WITH ZERO』(ゼロで死ね)というコンセプトの影響力が周りですごく大きくなってきている。」とメルカリCEOの山田進太郎さんがSNSで発信されていることに注目。学奨財団の理事長のアイデアは、この『DIE WITH ZERO』というコンセプトと通じるものを感じます――。粟飯原理咲評議員がこう話したのを機に、山田進太郎氏と粟飯原氏が知人であることが分かり、粟飯原氏を経由して、インタビューを申し込んだ。

  1. 創設者の山田進太郎さんが、私財を投じて奨学金の財団を創ろうと思ったのは、どのようなきっかけがあったのですか。
  2. 山田進太郎が代表執行役 CEOを務めるメルカリ社は、ダイバーシティ経営を目指す中で多様な人材の採用に注力していますが、特に理系女性の人数が社会全体として少ないという背景から、エンジニア部門におけるジェンダーの多様性を課題と考えていました。コロナで海外渡航が制限され、山田が時間を捻出しやすかったこともあり、大学生の頃から関心のあった教育と社会貢献の領域で活動を始めようと着想したのが2020年末。メルカリの共同創業者である富島寛(現・常務理事)や、NPO法人ETIC.創業者の宮城治男(現・評議員)など、仲間の賛同を得て、財団の方向性を固めました。
  3. 事務局長の田中さんが参画したきっかけは、どのようなことですか。
  4. 私は財団設立3カ月前の2021年4月に、産休明けのタイミングで参画しました。ETIC.の宮城が紹介してくれたのですが、私自身、子どもをもつことで、教育や次世代の社会づくりに関心を高めており、是非参画したいと思いました。
  5. 女子生徒に注目しているのですね。
  6. 理系女性を増やすには大学入学時点や卒業のタイミングでは遅く、日本では文系理系の進路選択をする前後の時期、中学3年〜高校1・2年時点で、理系を選んでもらう必要があります。公益財団法人として初めて、奨学金制度の選考方法に「抽選制(※予備選考した時点で資格者多数の場合)」を採用しました。これは、幅広い層に「女性が理系を選択することは、社会から応援されていることなんだ」と感じ、進路や進学先の選択時に奨学金というオプションがあることに気づいてもらうためです。この機会提供を通して、女子生徒の進路選択の現状を変えるムーブメントを起こすきっかけになればと考えています。少数派であることの不安、理系出身の保護者や理系女性教員を含むロールモデルが少ないなどのハードルを乗り越えるには、ムーブメントが必要なのです。2035年にSTEM(科学・技術・工学・数学)分野の大学入学者女性比率を、OECD(経済協力開発機構)平均の28%へと、高めることを目標に掲げて活動しています。
  7. その目標を達成するために、どのように取り組んでいきますか。
  8. さまざまな可能性を議論している段階です。奨学金事業をさらに拡大していくのか。それとも、大学や学校、企業、行政への働きかけを行い、理系に触れる体験やロールモデルとの交流機会を増やすなど、教育制度や社会構造を変えていく動きを強化するのか。対象となる中高生世代へのアンケート調査を実施したり、理系職業を含む、女性が占める割合が低い職業への興味を引き出すドイツの「Girls’ Day」の視察に行ったりもしました。こうした施策のどれに注力するか検討中ですが、奨学金にとどまらない多様な施策を展開し、目標達成を目指します。
  9. 学奨財団の活動について、どのような印象をもちましたか。
  10. 奨学生の具体的な選考基準を公開し、透明性が高い選考を実施していることは、独自の取り組みとして注目しています。2023年9月にリアルの交流会に参加した際に、学奨財団の役員等やサポーターなど、応援するコミュニティに志ある人が集まっていると感じました。奨学生にとっては、お金をもらえることだけでなく、むしろそれよりも、自身の学びを応援してくれる社会人と触れ合えることが学生時代の財産となるでしょう。

<公益財団法人 山田進太郎D&I財団の概要>

創設:2021年7月

URL: https://www.shinfdn.org/

奨学金の概要: 理系進学で叶えたい夢を後押しする資金として奨学助成金10万円を中高生(対象学年は年によって変更あり)に提供する。所得・成績制限なし、抽選制を特徴とする。2年目の2022年度の応募数は2097人(前年767人)、給付者数は559人(前年78人。2023年は最大500人程度)。